2019年4月の記事一覧
4月9日(火)入学式式辞
春の日差しが日ごとに強く降り注ぎ始め、正門の脇の桜が新入生の新しい門出を祝福してくれるかの如く満開に咲き誇る今日の佳き日に、PTA会長 岡田美奈子(おかだ みなこ)様を始め、多数の御来賓と保護者の皆様方の御臨席を賜り、平成三十一年度群馬県立高崎北高等学校第四十一回入学式をこのように盛大に挙行できますことは、私ども教職員一同の大きな喜びであり、心より厚く御礼を申し上げます。
ただ今、入学を許可しました240名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。高崎北高校への入学を、心から歓迎いたします。また、御列席の保護者の皆様におかれましては、今まで手塩にかけて育てられましたお子様の御入学を心からお祝い申し上げます。
さて、先日、新しい元号が「令和」に決定しました。皆さんは新しい時代のスタートの年に、新しく高校生活を始める記念すべき学年であります。
また、高崎北高校においても、昨年、創立四十周年を迎え、これまでの四十年を振り返り、これからの新しい四十年をどのようにつくり上げていくべきかを議論し、一年間をかけて準備して参りました。今年度は、いよいよ高崎北高校の新しい教育を本格実施する記念すべき年でもあります。
高崎北高校の新しい取組は様々ありますが、その中の二つを紹介します。
一つは、変化の激しい社会を生き抜くための「資質・能力」の育成です。
「大量生産社会」から「知識基盤社会」に入り、AI(人工知能)が人々の働き方まで大きく変えようとしている今日(こんにち)、社会で求められている資質・能力も大きく変わろうとしています。これからの高校教育においては、これまでの基礎的な知識・技能を身に付けることに加え、それらを活用して課題を解決していく活用力を身に付けることも重要です。ただ単に大学に合格する力を身に付けるだけでなく、その先にある社会で必要とされる資質・能力である、「主体性」や「コミュニケーション能力」、「プレゼンテーション能力」といった資質・能力を、高校生のうちから身に付けることは大変重要であると考えます。高崎北高校では「高北生に身に付けてほしい資質・能力」として、「主体性」や「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」など9つの資質・能力を、すべての先生方で議論し、決定し、授業や部活動、学校行事等、学校におけるすべての教育活動において育成してまいります。
新入生の皆さんは、指示されたことをこなすだけでなく、何を学ぶか、どう学ぶかなど、自ら考え、主体的に行動するようお願いします。また、授業や部活動、学校行事等においてグループで話し合う機会を積極的に設けます。さらに、自分の意見を発表する機会も積極的に設けるので、積極的に参加するようお願いします。これらの力は、一朝一夕に身に付くものではありません。苦手なことでも普段から心がけることで、三年間で大きく成長するものと考えます。努力を怠らず、気長に自分を磨き続けることで、三年後、皆さんが卒業するとき、社会で求められる様々な資質・能力を身に付け、大きく成長した高北生となっていることを期待します。
もう一つは、「探究」です。
昨年三月に高等学校学習指導要領が改訂され、本校においても2030年を見据えた新しい教育を推進しているところです。その取組の一つとして、今年度から新たに「総合的な探究の時間(あららぎ探究プラン)」を立ち上げ、新入生の皆さんの「探究」活動が本格始動します。「あららぎ探究プラン」では、社会人と対話したり、ボランティア、インターンシップ、大学訪問等、様々な活動を通して、疑問に思ったことに対し自ら問いを立て、仲間と互いに議論しながら課題解決を図る探究活動を行います。探究活動を行うことで、あんな職業に就きたい、あんな人になりたいという「皆さんの心に火をつける」活動を推進し、学びに向かう力を育てます。こうした活動を通して、自分の原点(自分に最も興味のあること)を探り、将来の職業について想いを巡らせる時間を経験することで、結果的に大学入試を突破する近道になると確信しています。
本校の校訓は「未来を拓く」です。
新入生の皆さんは、自分の原点を探り、問いを立て、友達と対話しながら課題を解決する探究活動を通して、将来の職業や夢を実現する「未来を拓く人」になってほしいと願っています。
今日からの高校生活の中で心配なことのひとつに、交通事故があります。新入生の皆さんは、慣れない通学路を通うこととなりますが、早めの登校を心掛け、交通ルールを遵守し、細心の注意を払って登下校をしていただきたいと強くお願いします。
結びに、今、新たな道を歩み始めた新入生の皆さんが、高崎北高校での三年間で大きく成長されることを祈念するとともに、御来賓並びに保護者の皆様方におかれましては、本校に対する特段の御支援・御協力をお願い申し上げ、式辞といたします。
平成三十一年四月九日
群馬県立高崎北高等学校長 丸橋 覚